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知って納得!カードローンの様々な沿革と現在

今や様々な消費者金融会社や大手銀行までもが取り扱う、カードローン。現在では「カードローン」という言葉は当たり前となり、様々な広告でもよく目にするようになりました。しかし、数年前まで「カードローン」という言葉は、現在ほど当たり前のものではありませんでした。数々の沿革、改革を積み重ねてきた消費者金融市場とカードローン。今回は、“カードローンがなぜ生まれ、どのような変化があったのか”を詳しく解説していきたいと思います。

目次

カードローンと超高金利時代

カードローンとは無担保の個人信用融資で、限度枠内であれば、発行されたカードを介して何度でも借り入れ・返済を繰り返すことのできるものを指します。現在では電車の車内広告や、大手メディアでのテレビCMなど様々な広告媒体で宣伝され、徐々にカードローンのシェアは高まってきています。しかし、カードローンが現在ほどポピュラーなものになるまでには、数々の厳しい過去が関係しています。カードローンが生まれたのは、平成22年6月18日に完全施行された改正貸金業法と大きく関わっています。少し歴史的背景に触れてみたいと思います。

かつて、日本における法定上限金利は109.5%と、超高金利だった時代がありました。1954年当時、制定された出資法という法律で、国内の上限金利は109.5%とする超高金利が認められており、1年間の融資を受けると1年後には倍額以上の返済が必要となるケースもあったのです。当然、一度借り入れすると短期間のうちに利息とともに金額が膨れ上がり、返済困難となってしまう消費者が後を絶ちませんでした。

その時に生まれた言葉が「サラ金地獄」です。その後、金利の引き下げが73%、54.75%、40.004%と段階的に進められていきました。1990年代に入るとバブル期が終わり、景気の悪化を要因とする消費者金融の全盛期時代がやってきます。このとき、出資法の上限金利は29.2%、利息制限法の上限金利は年20%でした。法定上限金利の推移は以下をご覧ください。

出資法上限金利
1954 年109.5%
1983 年73%
1986 年54.75%
1991 年40.004%
2000 年29.2%
2010 年20%

※2010年の貸金業法改正により、利息制限法、出資法は共に上限金利を20%に統一。

貸金業に関連する法律が、それぞれ別の上限金利を定めていたことで混乱を生み、新たな問題が発生しました。そこで生まれたのが『グレーゾーン金利』です。グレーゾーン金利とは出資法で定められた上限金利と、利息制限法に定められた上限金利との金利差を指す言葉で、後に大きな社会問題の原因となりました。

当時の消費者金融会社は、利息制限法を超えた金利で営業していることがほとんどで、出資法の上限金利以下であれば問題はない、との見方が大半を占めていました。なぜかというと、利息制限法には罰則規定はなく、出資法にのみ罰則規定が定められていたためです。しかし、急速に拡大していた消費者金融市場もここで大きな転機を迎えます。消費者金融を利用していた消費者が、グレーゾーン金利は不当とする裁判を起こしたのです。

裁判の結果、最高裁で消費者側が勝訴、過去10年間にわたり不当に支払ったお金は返還請求することできる、との判決が下されました。それを知った他の消費者から消費者金融会社への裁判が続出、この時生まれたのが『過払い金請求』という言葉でした。過払い金請求はブームとなり、過払い金回収を専門とする業者まで現れる事態まで発展しました。その後、改正貸金業法が完全施行されたことで、消費者金融市場は縮小の一途を辿って行きました。

大きな社会問題となったことから「キャッシング」という言葉に対し、世間ではネガティヴな印象を持たれるようになりました。そこで、生まれたのが「カードローン」です。もともとキャッシングは翌月一括返済、カードローンは分割返済、という差別化がなされていましたが、分割返済することを可能とするキャッシング会社が多く進出してきたことから、現在のキャッシングとカードローンは、違いがほとんど無くなりつつあります。様々な変革を経て貸金業法が改正されたことで、消費者保護に関する制度が充実、安心して利用できる現在のカードローンが生まれたのでした。

現在のカードローン市場

縮小の一途を辿っていたカードローン市場が一転、年々拡大へと向かっています。カードローン市場が拡大している大きな要因は、新しいスタイルへとスタイルチェンジを図っていることが挙げられます。大手銀行は、消費者金融会社と資本提携・子会社化することで、消費者金融会社の豊富な審査ノウハウと銀行のブランドイメージを持った、『銀行系消費者金融カードローン』を作り出しました。

銀行系消費者金融カードローンと銀行が直接取り扱っているカードローンの違いがわからないという方も多いので、少し解説しておきたいと思います。銀行系消費者金融カードローンは、銀行と資本提携しているものの、業務形態自体は貸金業に属しています。そのため、適用される法律は貸金業法となります。貸金業法は改正時に「総量規制」を設けています。

総量規制とは、利用者の返済能力を超えた貸付を防ぐ目的で作られた制度で、年収の3分の1以上の貸付を禁止しています。例えば、複数の消費者金融会社から借り入れしている利用者がいたとして、借り入れしている総合計額が年収の3分の1を超えないように貸付しなければならない、ということです。

もし、年収の3分の1以上の貸付を行った場合、罰則対象となり、最悪の場合業務停止命令が出される可能性があります。また、借り入れの際には基本的に”年収を証明する書類”の提出が必要となります。それに対し、銀行が直接扱うカードローンは銀行法が適用となり、貸金業法の総量規制を受けません。よって、理論上は年収の3分の1以上の貸付が可能です。

実際には、年収の3分の1以上の貸付は債務遅滞のリスクが高まるため、銀行の自主規制として、審査時に融資可能枠を限定しています。一般的には銀行が取り扱うカードローンの方が銀行系消費者金融カードローンよりも金利が低く、審査が通りにくい、という特徴を持っています。

銀行系消費者金融カードローンの特徴は、審査から融資までのスピードが速いことなどが挙げられます。各社、各銀行によって独自の特典やサービスを持っているので、カードローンを利用する際は、金利面、サービス面などをしっかり比較した上で申し込みすることをオススメします。

まとめ

意外と知られていないようなカードローンの歴史や沿革を話題として取り上げました。様々な紆余曲折があって、現在のカードローンが生まれたことがご理解いただけたかと思います。

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