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貸金業法と総量規制を優しく解説

お金を借りる際に適用される法律が、貸金業法です。

貸金業法の中では何が決められているか、ご存知でしょうか?

消費者金融などのお金を貸すお仕事をしている方たちは、
この法律を守るように定められています。

お金を借りる側も、だまされないようにしっかり理解しておきましょう。

目次

貸金業法では何が定められているの?

貸金業法で定められていることは、
大きく分けて5つあります。

・総量規制→貸していいお金の金額
・上限金利の引き下げ→違法な金利でお金を貸していないか?
・貸金業者への規制を強化
・遅延利息について
・取り立てについて
・闇金について

お金を借りる側が覚えておきたいのは、
総量規制と金利、遅延利息、取り立て、闇金についてです。

詳しく説明していきますね。

総量規制ってなに?

総量規制とは、簡単に言うと
お金を貸していい金額を決めていることです。

2018年現在では、借入残高が年収の3分の1を超える場合は新しく借り入れすることができない、という決まりになっています。

なぜこのような規制ができたかというと、
多重債務者が増え、お金を返すことができない人が増えてしまったためです。

そのため、その人が返済できない金額を貸すことはできませんよ、という決まりを作りました。

総量規制が適用されるのは、個人の借り入れのみです。

法人での借り入れは適用されません。

また、住宅ローンなどの、比較的低金利で長期の借り入れは総量規制は適用されません。

上限金利の引き下げって、どのくらい下がったの?

多重債務者が増えた理由としては、高い金利にも原因があります。

お金を借りる→返済が遅れる→金利が上乗せ→借金を返しても返しても返済が終わらない→多重債務

という悪循環です。

そのため、上限金利の引き下げをする決まりを作りました。

これまでの上限金利は、29.2%でしたが、
この法律が適用されたことによって、上限金利は20%となりました。

約10%も下がっています。

よく聞くグレーゾーンの金利ってなに?

昔はグレー金利と言われるものがありました。
(今は法律が変わったためありません)

グレー金利とは何だったのでしょうか。

実は、金利を定める法律は2つあります。

・利息制限法
・出資法

それぞれ詳しく見ていきましょう。

○利息制限法について
利息制限法とは、借入する際の利息等の利率を制限することを目的としています。

お金を貸す側が暴走しないように、金利を法律で定めているのです。

利息制限法で定められている金利は、
貸付額に応じ15%~20%が上限金利です。

10万円未満 年20%
10万円~100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

 

○出資法
出資法とは、昭和29年に消費者金融などのお金を貸す側を規制することを目的としてできた法律です。

この出資法ができた経緯には、ある事件がありました。

その事件とは、元本・高利を保証して個人からお金をだまし取る詐欺が横行したのです。
戦後、闇金が猛威を奮っていたのですね。

もちろん、詐欺ではなく、本当に商売としてやっている人もいるわけなのですが、
詐欺である立証が当時は難しく、刑法上の詐欺罪に問うことができませんでした。

そのため、この出資法という法律ができたのです。

出資法で定められている上限金利は29.2%でした。
(現在は撤廃されています)

○お気づきでしょうか?

気づきましたか?

利息制限法と出資法で定められている上限金利が違いますね。

利息制限法は15%~20%
出資法は29.2%

グレーゾーンとは、20%~29.2%の金利のことを言います。

今は出資法の上限金利の29.2%というのは撤廃されていますから、
グレーゾーンの金利はありません。

それ以上の金利は無効となり、
もし無効金利でお金を貸した場合は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金となります。

貸金業法と利息制限法、出資法は何が違うの?

さてさて、ここまでの説明に3つの法律が出てきました。

貸金業法・利息制限法・出資法

それぞれ何がちがうの?と思った方もいらっしゃると思います。

簡単に言うと、

貸金業法・・・主にお金の貸し方に関する決まり

利息制限法・・・金利の上限を決める決まり

出資法・・・主に業者が行うお金の貸し借りに付いての決まり

となります。

ところで、「法の抜け穴」って聞いたことあるでしょうか。

法律に書かれていない、いわゆる「これっていいの?」みたいなやつです。

グレーゾーン金利もそのうちの1つ。

法律には、抜け穴が存在するのです。

しかし、お金の貸し借りは、とんでもないトラブルに発展する可能性が高いので、
しっかり法律で定める必要がありますよね。

そのため、平成22年にグレーゾーン金利が適用されないように法律を修正し、
貸金業法・利息制限法・出資法の3つが連携しあって、法の抜け穴がないようになっています。

ですからお金の貸し借りに関する法律を調べると、
この3つの法律がよく出てきます。

ただし、銀行での借り入れは「銀行法」という法律があるのでそちらが適用されます。

返済が遅れたときの遅延利息はどの法律で定められてる?

遅延利息が定められているのは貸金業法です。

貸金業法では、遅延利息は20%までとしており、
遅延利息は20%としている金融機関は多いです。

遅延利息は遅延損害金とイコールで、
遅延利息を払ったからといって、元本が減るわけではありません。

遅延利息+通常の返済(元本+利息)の支払いが必要となりますので注意しましょう。

複数の消費者金融から借り入れをしている場合は、
どの金融機関の返済がいつか、わからなくなってしまうことがありますので、
そういった場合はおまとめローンを利用してみてもいいでしょう。

こんな取り立てには要注意!法律違反の取り立てとは?

取り立てについてもしっかり法律で定められています。
取り立てについて定めている法律は貸金業法です。

過度な恐怖をあおる取り立てや、
私生活や仕事の妨げになるような取り立ては禁じられています。

下記のような取り立ては違反となります。

  • ・正当な理由がなく、早朝や深夜に電話やFAXを送ってくる
  • ・正当な理由がなく、自宅以外に電話をかける
  • ・張り紙などで周囲へ借り入れがあることをばらす
  • ・他社から借金してでも返済しろと言う
  • ・債務整理を開始しても取り立てが続く(債務整理を中止しろなどと脅す)
    (債務整理をすると業者が直接取り立てできなくなります)


上記のような取り立てがあったら、警察や弁護士、法テラスや消費者センターへ相談しましょう!

闇金を取り締まる法律はどれ?

闇金を取り締まる法律は貸金業法です。

そもそも闇金とはどういう業者を指すかというと、
貸金業の登録をしないでお金を貸している業者をいいます。

お金を貸すお仕事をする場合は、
必ず貸金業の登録をする必要があるのですが、
闇金と呼ばれる業者は、貸金業の登録をせず、違法な金利でお金を貸し出します。

闇金から借りるメリットはただ1つ。
ブラックでも借り入れることができること。

ただし、先ほども言いましたが、違法な金利で貸し付け、
さらに取り立ても怖く、「貸してほしい」と言っていないのに、
勝手に口座にお金を振り込むなどの行為も報告されています。

貸金業法では、「営業所を2県以上に設置する場合は財務局に登録し、
1県内の場合はその都道府県に登録しなければならない」と定めています。

登録をしない業者には、10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

まとめ

労働法と同じように、お金の貸し借りには、
弱い立場になる人を守る法律が複数あります。

お金を借りる際はこう言った法律を理解して、
違法な業者からしっかり身を守りましょう!

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