「税金ってなんでこんなに高いのだろう」「税金を払う程無駄なものはない」と、税金を嫌う方はとても多いですよね。納税は国民の三大義務のひとつですから、国民である以上避けられないものではありますが、視点を変えて詳しく知っていくと、非常に奥が深いのが税金です。税金がどのようなものか、税金の徴収方式など税金の知識について説明します。
税金の種類って?
最近テレビやニュースで話題となっている消費税の増税。消費税は一番身近な税金として知名度も高く、生活に直結することから大きな反対が起きています。しかし、一口に税金といっても、実は沢山の種類があります。なかには、人生で数回程度しか目にすることがないような税金もあります。税金の1つの分類は「誰が課税するか」という違いによって区分することができます。
大きく分けると国税と地方税に区分することができます。国税の代表的なものを挙げると、所得税と法人税で、地方税の代表的なものは住民税や事業税などが該当します。また、税金を負担する人が直接納付する税金を直接税といい、所得税などがこれに該当します。それに対し、納税者と実際に税金を負担する人が異なるものを間接税といい、消費税などが該当します。
国税
直接税・・・法人税、相続税、贈与税、地価税
間接税・・・消費税、登録免許税、印紙税、酒税
地方税
直接税・・・住民税、事業税、不動産取得税、固定資産税
間接税・・・地方消費税、たばこ税、ゴルフ場利用税、軽油取引税
上記の分類の他、納税額の決定方式による区分があります。納税額の決定方式は2つに分けることができ、税金を納める際に納税者本人が税額を計算して申告する制度を申告納税制度といいます。これに対し、課税する国や地方公共団体が税額を決定して納税者に通知する制度を賦課課税制度といいます。
また、税金の納付や徴収方法には、申告納付、賦課納付、源泉徴収、普通徴収、特別徴収などがあります。特にこの中で会社員の方が身近なものは源泉徴収でしょうか。源泉徴収とは、従業員の給与や役員報酬、利子、配当金の支払いをする者が、一定の所得税を預かり、給与などの受取者に代わって国に税金を納付する方法を指します。
所得税とは
会社員の方であれば給与から天引きされるので、給与明細に記載されますし、目にする頻度が比較的高い税金と言えるでしょう。所得税とは個人が1年間に得た利益(所得)に対して課税される税金です。所得税は法人などに課税される他の税金に比べて、特徴を理解さえすれば分かり易い税金です。
所得税は直接税なので、税金を負担する方と税金を納付する方が同一です。しかし、所得税を間接税と間違えられる方が非常に多いのです。会社員の方の場合、所得税を源泉徴収で納付されることが多く、この場合、納税者は本人ですが実際に納付しているのは会社なので、間接税と間違える方が多いのです。
実は、源泉徴収は会社員やパート、アルバイトに対する例外的な扱いです。所得税の税率は超過累進税率です。超過累進税率とは、課税所得が多くなるにつれて、税率が高くなるというものです。所得が増えれば増えるほど税率が高くなるので、高収入の方はかなりの税率が課されることになります。所得税の税率です。
課税所得金額 | 税率(控除額) |
---|---|
195万円以下 | 5%(0) |
195~330万円以下 | 10%(97,500円) |
330~695万円以下 | 20%(427,500円) |
695~900万円以下 | 23%(636,000円) |
900~1,800万円以下 | 33%(1,536,000円) |
1,800~4,000万円以下 | 40%(2,796,000円) |
4,000万円以上 | 45%(4,796,000円) |
所得が大きくなるほど税率が大きくなり、せっかく努力して稼いでも税金で持っていかれるので本当に腹立たしいですね!
税金がかからない!非課税所得とは
また、非課税所得といって、税金を負担する能力への配慮や社会政策的な理由から、所得税が課税されない所得があります。
所得項目 | 詳細 |
---|---|
利子・配当 |
・障がい者等が預け入れた預貯金(障がい者等の非課税貯蓄制度)の一定の範囲 ・元本550万円以下の財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の利子 ・オープン型株式投資信託の収益分配金のうち元本の払い戻しに相当する特別分配金 |
給与 |
・出張および転勤に伴って支給される旅費で通常必要であるもの ・通勤手当のうち月額10万円までの金額 ・職務上、必要な制服等の現物給与 |
譲渡 |
・生活用動産(タンス、テレビなど)の譲渡による所得 ・一般の債権の譲渡による所得 ・相続税の納付のために、相続財産を物納したことにより生じた、資産の譲渡による所得 |
その他 |
・遺族の受け取る恩給および年金 ・相続、遺贈または個人からの贈与により取得するもの(相続税、贈与税の対象となる) ・死亡退職金(相続開始後3年以内に支給が確定したもの) ・損害保険金、損害賠償等で一定のもの |
また、その他の法律の規定によって非課税となる一般的なものは
・健康保険等の保険給付
・雇用対策法により支給を受ける職業転換給付金
・雇用保険法により支給を受ける失業等の給付
・身体障がい者福祉法により支給を受ける金品
・生活保護法により支給を受ける保護金品
・当選金付証票の当選金品(宝くじなど)
・労働者災害補償保険の保険給付
・国民年金法、厚生年金保険法等による障害・遺族給付
・確定拠出年金法による障害給付金
などがあります。このように、非課税となる所得は社会通念上当然と判断されるものが多く該当します。
まとめ
税金の分類の中には、一度も聞いたことが無いような税金もあったかと思います。また、所得税については会社員の方から自営業の方まで、所得を有する方全員に関係する税金ですから、ご自身がどの程度の税金を負担しているかを調べてみても面白いかもしれません。非課税所得について、身近なものは失業保険などの失業給付でしょうか。失業給付はその名の通り、失業した際に給付される金銭なので、そこに税金を課税することは社会通念上問題があるということで、非課税となっているということですね。
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