人生を生きていく上で人が恐れるものベスト3は、「死」「貧乏」「孤独」だと言われています。生命保険はその中で「死」「貧乏」に大きく関わるものです。つまり、生命保険は人生を左右する可能性があると言っても過言ではありません。しかし、生命保険を契約する際には様々な専門知識が必要です。「何がなんだかわからない!」という方も多いのではないでしょうか。生命保険を契約する際のポイントや専門用語解説などをメインに説明します。
生命保険に加入する意味とは
「将来のために生命保険に加入しました」「いざというときに備えて生命保険に加入しています」生命保険を加入している方に質問すると、大半の方がこのように返答します。「生命保険に加入する」とは、生命保険会社と契約を結ぶことを指します。契約を締結するにあたって、正確に内容を理解しなければなりません。また、生命保険はサービス商品ですから目に見えるものではありません。したがって、商品を購入したという感覚を感じにくい、という一面があることを理解しましょう。
しかし、「マイホームの購入の次に高い買い物は生命保険」と言われているように、長期的に生命保険料を払い続けるとかなりの大金になります。つまり、気軽な気持ちで加入するものではないということを念頭において契約する必要があるのです。例えば、月1万円契約の生命保険を20歳から65歳まで契約したとして、合計金額を試算するとなんと540万円にも上るのです。つまり、生命保険を契約する際には、「人生を左右する買い物をする」という感覚を持つ必要があるということです。
一般的な生命保険の契約の流れは下記のようになっています。
生命保険契約の流れ
1.インターネットや広告、パンフレットなどを活用して加入する保険会社を決定
2.生命保険会社の相談スタッフから内容説明を受ける
3.契約のしおりを受け取る
4.生命保険のプランによっては保険会社指定医師による診査を受ける(告知)
5.生命保険契約の締結
6.契約の承諾
7.保険料の払込み
8.責任開始
上記の流れの中で重要なのは「契約のしおり」と「告知」です。
契約のしおり
生命保険を契約するにあたって必ずチェックしなければならない物の一つに「契約のしおり」があります。日常生活では聞き慣れない名前ですが、生命保険を理解する上ではとても重要ですので覚えておきましょう。契約のしおりは、約款の中の契約者にとって重要な部分を簡単に解説したものです。保険商品の対象や契約者の権利義務などが記載されているので、契約前に熟読する必要があります。契約のしおりの中に解説されている主な項目は以下の通りです。
・主な保険用語の説明
・本人記入などの注意事項
・保険の特徴としくみ
・保険金の支払い説明
・契約に関しての注意事項
・契約後の失効
・復旧についての説明
・特約について
・生命保険料控除の説明
・保険金の請求などについての説明
・クーリングオフ制度について
契約のしおりの中に記載されている内容はどれも重要な項目ばかりですが、一番優先すべき項目は「保険の特徴としくみ」という項目です。この項目には「どのような保険なのか」「保険にどのようなメリットがあるのか」など、保険の基本的概要が記載されています。この項目がなぜ重要かというと、契約者と保険会社の認識違いを防ぐためです。生命保険は基本的に専門知識を持っているスタッフから説明を受けます。しかし、専門的な内容となるため、人によって認識違いが生じる恐れがあるのです。したがって、契約者本人が書面で確認することにより、認識違いによるトラブルを未然に防ぐことができます。契約の際は必ず読むようにしましょう。
また、「生命保険料控除」についての項目も非常に重要な項目となっています。生命保険料控除とは、一年間に支払った生命保険料の一定額を控除するためのもので、年末調整や確定申告の際に生命保険会社から送付された資料を添付して申告します。控除を受けることで税金の還付を受けることができる可能性があるので覚えておくと良いでしょう。
他には、「契約後の失効、復旧についての説明」という項目も優先的に読んでおくほうがいいでしょう。この項目には、契約後に生命保険契約が失効するケースや、生命保険契約が復旧できるケースについて書かれています。簡単にまとめると、保険料の支払いを滞納をしてしまい、一定期間後に契約が失効してしまうケースなどのことです。保険契約以外ではあまり馴染みのない内容ですから、大まかに把握しておくと良いでしょう。
「告知」とは
生命保険を契約するとき、契約者または被保険者は「告知」といって、健康状態など生命保険会社がリスクの度合いを判断するための重要事項をありのままに告げなければならないと定められています。これを「告知義務」といいます。また、告知義務を負う者のことを「告知義務者」といいます。告知義務の目的は、危険度の高い方が加入して全体の法則に影響を及ぼすことを避けるためです。したがって、重度の疾患があるなど生命保険会社によって危険度が高いと判断されると加入を拒絶されたり、加入条件を付加されたりすることがあります。
告知方法は医師の診査を伴うものと不要なものがあります。診査が不要なものでも、質問事項をまとめた書面に対して回答するケースが多く、契約者はありのままを回答します。医師の診査を伴う告知方法では、医師が契約者に質問しありのままを回答します。
もし、告知義務者の故意または過失により重大な事実を告げなかったり、嘘を告げたりした場合は、「告知義務違反」となります。保険会社が告知義務違反を知った場合、契約を解除することができます。保険会社の約款では一般的に、責任開始日より2年を超えて契約が継続した場合、もしくは、2年以内であっても保険会社が告知義務違反を知ってから1ヶ月以内に解除を行わなければ、保険会社は契約を解除することができないこととなっています。
告知義務違反にもとづき契約解除となった場合、保険金及び給付金は支払われません。ただし、解除前に発生した保険事故について、告知義務違反の内容と保険事故の原因に因果関係がない場合には保険金の給付が行われます。ちなみに、生命保険契約が告知義務違反により解除された場合、支払った保険料は返還されません。つまり、契約した意味がなくなってしまうということです。生命保険を契約する際には告知義務違反にならないよう、誠実に対応する必要があると言えるでしょう。
まとめ
生命保険契約には普段から見聞きするような語句だけではなく、多くの専門知識が必要になります。さらにいうと、説明を受けるスタッフのレベルによって選択する生命保険が変わる可能性もあるでしょう。しかし、基本は「自分でしっかり選ぶ」ということが非常に重要です。
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