日本国内において、1人あたりの生命保険平均支払額は年間24万円程度と言われています。1ヶ月平均2万円というところですが、生命保険は人生を安心して過ごす上でとても重要なものです。しかし、予想されるリスクよりも少ない保障金額の生命保険であればリスクは防ぎ切れませんし、逆に、保障金額が予想される必要金額よりもはるかに高い場合はムダな生命保険料を支払うことになります。ここでは「どのような生命保険があり、どのような方におすすめなのか」を詳しく解説します。
生命保険が必要になるのはどんなとき?
今までお話してきた様々な方に、「生命保険に入っていますか?」と聞いたら、ほとんどの方は「はい」という返事でした。金額の大小はあるものの、生命保険を利用している方は非常に多いです。生命保険はご自身に何か偶発的なトラブルが起こった時や、病気、ケガなど、ご自身の生命が脅かされたときのために備えるものです。つまり、大多数の方がリスクに対して不安を感じているということです。
しかし、「なんとなく不安だから」ということだけで、生命保険に加入することはおすすめしません。なぜかというと、生命保険を生かすためにはライフプランニングが必須だからです。ライフプランニングをしないで加入するとムダな出費となるだけでなく、万が一のときに「保険が下りない!」なんてことに繋がってしまう可能性があります。
生命保険は大きく分けて、死亡に備えるものや老後の生活に備えるもの、病気やケガに備えるもの、介護状態になったときに備えるものの4つに分けることができます。全ての種類の保険に加入すればリスクは大幅にカバーできますが、保険料も莫大となってしまいます。
生命保険が必要になるタイミングは個人差が大きいため一概には言えませんが、世帯をもったときや社会人になったときなど、ライフスタイルの変化があったときに加入される方が多いです。世帯をもったときは、子供がいるかかどうかというところもポイントとなります。また、社会人になったと同時に一人暮らしすることになった場合、入院などで働けなくなってしまったときに備えて加入する方が多いです。
つまり、生命保険を設計するためには「客観的にリスクを分析すること」が非常に重要となるのです。
どんな保険が自分に合うか
職業、住居、年齢、収入、家族構成など、ライフスタイルは人によって実に様々です。全ての方が備えるべきリスクはありますが、リスクの種類も人によって違います。したがって、生命保険のプランも加入者に合わせてカスタマイズする必要があります。代表的なリスクと重点を置く生命保険をまとめました。
契約者の死亡リスクに備えたい方の保険
定期保険
被保険者が死亡したときに死亡保険金が支払われる保険で、あらかじめ保険期間が定められているものです。保険期間は5~10年程度が一般的ですが、それより短期、長期のものもあります。他の保険に比べて割安な保険料で大きな死亡保障を得られますが、保険期間が終了すると一切保障が無くなります。満期保険金は無く、保険料は掛け捨てが大半です。一定期間の保障を得たい方にはおすすめです。
終身保険
被保険者が死亡したときに死亡保険金が支払われる保険ですが、保険期間が一生涯続きます。つまり、生きている限り保障を得ることができる保険、ということです。保険料の払い込み方法は有期払いと終身払いの2種類があり、有期払いは一定期間、終身払いは被保険者が生きている限り保険料を払い込み続けるというものです。保険料は定期保険に比べて高くなりますが、掛け捨てにならないため加入年数の経過とともに解約返戻金が増加します。また、保険料払込満了時には死亡保障に代えて年金払いや、介護保障を選択できる場合があります。死亡保障を長期にわたって受けたいという方におすすめです。
養老保険
定められた保険期間の間に、被保険者が死亡した場合には死亡保険金が、満期まで生存した場合には同額の満期保険金が支払われる保険です。貯蓄性、保障性の両面からリスクに備えることができます。満期があるので、満期後は死亡保障がなくなります。保険料は定期保険や終身保険よりも高くなります。また、養老保険の中には契約時に保険料を全て払い込んでしまうものがあります。これを一時払い養老保険といい、保障性よりも貯蓄性を重視した保険商品となっています。様々なリスクに備えたい方におすすめです。
死亡保障に備えるその他の代表的な保険
逓増定期保険
保険金額が期間の経過に応じて増加していく保険です。保険料自体は一定額を支払い続けます。長い目で保険をコツコツと備えていきたい方におすすめです。
逓減定期保険
逓増定期保険とは逆に、保険金額が時間の経過と共に減少していく保険です。したがって保険金額は契約時が最も大きく、保険会社によって逓減割合や逓減期間は異なります。契約時に大きな保障を得たい方におすすめです。
収入保障保険(生活保障保険)
保障期間内に被保険者が死亡または高度障害状態となった場合に、所定の期間に応じて保険金を年金形式で分割して受け取る保険です。保険金を年金形式で分割して受け取るように初めから契約し、遺族が生活費を計画的に受け取ることができます。年金に代えて一時金として受け取ることも可能です。一時金で受け取る場合、受け取り額は年金形式よりも少なくなります。遺族の方に対しての保障を得たい方におすすめです。
定期保険特約付終身保険(定期付終身保険)
終身保険に定期保険特約を付けて、一定期間の死亡保障を大きくした保険です。比較的少ない保険料で定期保障と終身保障の両方を受けられる特徴があります。定期保険特約部分には全期型と更新型があります。全期型は保険料が満期まで一定、更新型は10年、15年など一定の保険期間の満期で更新していきます。大きな保障を得たい方におすすめです。
定期保険特約付養老保険(定期付養老保険)
養老保険に定期保険特約を上乗せした保険です。養老保険に比較的割安な定期保険を上乗せし、死亡保障を充実したものです。養老保険にプラスして保障を受けたい方におすすめです。
利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)
利率変動型積立終身保険の特徴は、必要に応じて保障内容を見直すことができることです。積立部分と保障部分が切り離されている保険で、積立部分は保険料をプールする貯蓄機能を持ち、一時金を投入することや、積立金を引き出すこともできます。また、積立金を保険料に充当して死亡保障額を増すこともできます。保険料の払い込み完了時にはそれまでの積立金を原資として、終身保険や年金に移行することができます。積立と保障を臨機応変にしたいという方におすすめです。
まとめ
生命保険を選ぶ際には専門家のアドバイスが必須となります。ただ、営業マンに相談するだけでは意見が偏ってしまうので、お近くのファイナンシャルプランナーに相談するのも賢い方法と言えるでしょう。
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